〔事例〕
Fさん(50歳、女性、障害支援区分5)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)による四肢・体幹機能障害がある。
居宅介護を利用し、入浴の支援を受けながら母親(79歳)と暮らしていた。
Fさんは障害基礎年金1級を受給していて、Fさん名義の貯蓄がある。
金銭管理は母親が行っていた。
Fさんは、3年前に誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入院したことがある。
言語障害があり、慣れた人でないと言葉が聞き取りにくい。
自宅では車いすに乗り、足で床を蹴って移動し、屋外は母親が車いすを押していた。
Fさんは自宅内の移動以外の日常生活については、母親から全面的に介護を受けて生活していた。
最近、日中活動の場と短期入所(ショートステイ)の利用について、市の障害福祉課に相談するようになった。
ところが、母親が持病の心疾患(heart disease)で亡くなり、市の障害福祉課がFさんと当面の生活について検討することになった。
Fさんは1人で生活することは難しいと思い、施設入所を希望している。
Fさんの脳性麻痺(cerebral palsy)の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
脳性麻痺の型のうち、アテトーゼ型の特徴を問う問題です。
脳性麻痺は、出生前後の脳の損傷によって起こる運動と姿勢の障害で、症状によっていくつかの型に分けられます。
【選択肢別解説】
1:× 強い筋緊張から四肢の突っ張りが強いのは、痙直型の特徴です。
アテトーゼ型では、筋緊張が強くなったり弱くなったり変動します。
2:○ 不随意運動が生じて、運動のコントロールが難しくなるのがアテトーゼ型の特徴です。
自分の意思と関係なく手足や顔が動き、思うように動作ができなくなります。
3:× 文字を正確に読めず、内容を理解しにくいのは、学習障害の一つである読字障害(ディスレクシア)の特徴です。
脳性麻痺の型の特徴ではありません。
4:× 動作が緩慢で表情が乏しくなるのは、パーキンソン病の特徴です。
5:× 着衣失行は、脳の損傷による高次脳機能障害の一つです。
アテトーゼ型脳性麻痺の特徴ではありません。
【ポイント】
アテトーゼ型では、顔や口の不随意運動のため言語障害を伴うことが多く、Fさんの「慣れた人でないと言葉が聞き取りにくい」状態もこれによるものです。
緊張すると不随意運動が強くなるため、リラックスできる環境づくりが大切です。