〔事例〕
Dさん(73歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。
入居後、本人の同意のもとに短期目標を、「食事の準備に参加する」と設定し、順調に経過していた。
ある日、Dさんが夕食の準備に来なかった。
翌日、担当する介護福祉職が居室を訪ねて理由を聞くと、「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。
当日のDさんの記録を見ると、「お茶を配ると席に座ったが、すぐに立ち上がり、料理を皿に盛り付けるEさんの手元を見ていた」「配膳された料理を見て、ため息をついた」とあった。
その後、食事の準備には参加していないが、早く来て様子を見ている。
また、食事中は談笑し、食事も完食している。
以上のことから再アセスメントを行うことになった。
Dさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
計画どおりに進まなくなった利用者の再アセスメントで、何を分析すべきかを問う問題です。
Dさんは食事の準備に来なくなりましたが、「早く来て様子を見ている」状態が続いています。
また、「盛り付けの見た目が・・・」と話し、Eさんの盛り付けの手元を見たり、配膳された料理にため息をついたりしています。
これらは、食事の準備への関心は失っていないことを示しており、その背景にある思いを分析することが必要です。
【選択肢別解説】
1:× お茶を配る能力を分析する必要はありません。
Dさんはお茶を配ることはできており、課題の焦点ではありません。
2:× ため息を料理の味が悪いと解釈する根拠はありません。
Dさんは食事を完食しており、本人の言葉は「盛り付けの見た目」に関するものです。
3:○ 早く来て様子を見ている理由を分析するのが適切です。
参加しなくなった後も準備の様子を見に来ていることから、Dさんが食事の準備に何を求めているのかを読み取る手がかりになります。
4:× 安心して食事ができているかは、課題の中心ではありません。
Dさんは食事中に談笑し完食しており、食事そのものに問題はみられません。
5:× Eさんから盛り付けを学びたいと解釈する根拠はありません。
手元を見ていたことだけから、介護福祉職の推測で結論を出すのは不適切です。
【ポイント】
再アセスメントでは、記録された事実と本人の言葉をもとに、行動の意味を根拠をもって分析します。
介護福祉職の思い込みで解釈しないことが、正しい課題の把握につながります。