〔事例〕
Fさん(85歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)がある。
同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために、介護老人福祉施設への入所が決まった。
入所当日、介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。
介護福祉職が、「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると、娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。
娘は、介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。
持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき、娘が寂しそうに、「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。
初対面の娘と関係を構築するために介護福祉職がとる対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
事例の娘は「少し緊張した様子」で、問いかけに「応えるまで時間がかかり」、「あまり多くを語ることはなかった」とあります。
初対面で緊張している相手には、相手のペースを尊重し、反応を見ながら関わることが関係づくりの基本です。
【選択肢別解説】
1:× 初対面の相手に友人のような口調で話すのは、なれなれしく失礼な印象を与えます。
丁寧な言葉づかいが基本です。
2:○ 娘は応えるまでに時間がかかっています。
相手のペースに合わせ、表情を確かめながら話すことで、緊張を和らげ安心感を与えることができます。
3:× 会話が途切れないよう一方的に話し続けると、娘が考えたり話したりする時間を奪います。
沈黙も大切にします。
4:× 密接距離は、ごく親しい人との間でとるおよそ45cm以内の距離です。
初対面の相手に近づきすぎると、緊張や不快感を強めます。
5:× 初対面の家族へのスキンシップは、相手を戸惑わせるおそれがあります。
関係ができていない段階では控えます。
【ポイント】
初対面の相手との関係づくりでは、丁寧な言葉づかい、適切な距離、相手のペースの尊重が大切です。
ホールの対人距離(密接・個体・社会・公衆)も合わせて覚えましょう。