53歳の女性。
1週間前、自宅で転倒し右腰部に痛みを自覚した。
初検時、棘突起の圧痛は軽度で、下肢伸展挙上テストは陰性であった。
起居動作および左側屈で疼痛が誘発された。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
転倒後の片側の腰痛で、棘突起の圧痛は軽度、下肢伸展挙上(SLR)テストは陰性です。
起居動作と健側(左)への側屈で疼痛が誘発されることから、腰椎肋骨突起(横突起)骨折が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 腰部脊柱管狭窄症は、加齢による変性で脊柱管が狭くなる疾患です。
歩くと下肢のしびれや痛みが出て休むと回復する間欠性跛行が特徴で、外傷後1週の片側の腰痛とは合いません。
2:○ 肋骨突起には大腰筋や腰方形筋が付着しています。
健側へ側屈すると患側のこれらの筋が伸ばされて骨折部が引かれるため、疼痛が誘発されます。
骨折部が棘突起から離れた外側にあるため、棘突起の圧痛が軽度である点も一致します。
3:× 腰椎椎間板ヘルニアでは、神経根が刺激されるためSLRテストが陽性になることが多いです。
本症例ではSLRテストが陰性なので、考えにくいです。
4:× 胸腰椎移行部の圧迫骨折では、骨折した椎体の棘突起に強い圧痛や叩打痛がみられます。
棘突起の圧痛が軽度である本症例とは合いません。
【ポイント】
肋骨突起骨折は、健側への側屈で痛むパイル徴候が特徴です。
骨折部の圧痛は棘突起の外側にみられ、腎損傷の合併による血尿にも注意します。