67歳の男性。
転倒して縁石に前胸部を強打し、強い痛みを自覚した。
来所時、背中を丸めるような姿勢をとり、ゆっくりとした腹式呼吸で、前胸部中央に著明な皮下出血と腫脹がみられた。
合併症で考えられないのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は考えられないものを選ぶので、○ が答え(考えにくい合併症)です。
前胸部中央を縁石に強打し、背中を丸めた姿勢、浅くゆっくりした呼吸、前胸部中央の皮下出血と腫脹がみられることから、胸骨骨折が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 胸部への強い外力で肋骨や胸骨の骨折端が胸膜や血管を傷つけると、胸腔内に出血して血胸が起こります。
合併症として考えられます。
2:× 前胸部への直達外力では、胸骨だけでなく肋骨や肋軟骨も骨折することがあります。
合併症として考えられます。
3:○ 第10胸椎神経根障害は、下位胸椎の椎間板や椎体の病変などで起こるもので、前胸部の強打とは損傷部位が一致しません。
胸骨骨折の合併症としては考えにくいです。
4:× 胸骨の後方には心臓や大血管などの縦隔臓器があります。
胸骨骨折では心挫傷などの縦隔臓器損傷を合併することがあり、合併症として考えられます。
【ポイント】
胸骨骨折は自動車のハンドルによる強打などで起こり、心臓や大血管の損傷の合併に最も注意が必要です。
背中を丸めた前屈姿勢と浅い呼吸は、胸骨骨折の特徴的な所見です。