21歳の男性。
大学テニス部に所属している。
右肩部周辺の鈍痛や易疲労感、挙上障害を訴え来所した。
肩関節屈曲時に肩甲骨内側縁と肩甲骨下角が後方に突出するのがみられた。
考えられないのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は考えられないものを選ぶので、○が答え(考えられない疾患)です。
肩関節屈曲時に肩甲骨内側縁と下角が後方へ浮き上がる状態は、翼状肩甲です。
肩甲骨を胸郭に固定する筋の麻痺で起こります。
【選択肢別解説】
1:× 前鋸筋は肩甲骨内側縁を胸郭に押し付ける筋で、長胸神経に支配されます。
前鋸筋麻痺は翼状肩甲の代表的な原因で、スポーツによる長胸神経障害でも起こります。
2:× 僧帽筋は副神経に支配され、肩甲骨を内転・上方回旋させます。
麻痺すると肩甲骨の固定が不十分となり、翼状肩甲が生じることがあります。
3:× 菱形筋は肩甲背神経に支配され、肩甲骨を内転・挙上させて内側縁を胸郭に引き付けます。
麻痺すると肩甲骨内側縁が浮き上がり、翼状肩甲の原因となります。
4:○ 三角筋は腋窩神経に支配され、肩関節の外転・屈曲・伸展を担う筋です。
上腕骨に作用する筋で、肩甲骨を胸郭に固定する働きはないため、麻痺しても翼状肩甲は生じません。
【ポイント】
翼状肩甲は、壁に手をついて押させると肩甲骨内側縁の浮き上がりが観察しやすくなります。
前鋸筋麻痺は肩関節の屈曲で、僧帽筋麻痺は外転で翼状肩甲が目立ちやすいです。