24歳の男性。
ラグビーでタックルした際に、右手環指が相手のジャージに引っかかり受傷した。
痛みが強くなかったためプレーを続行したが、終了後に指の違和感が強くなり来所した。
来所時、PIPおよびDIP関節の自動的伸展は可能だが、DIP関節の自動的屈曲ができなかった。
関節部に腫脹はみられなかった。
考えられる損傷部位はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
相手のジャージをつかんだ指が、曲げようとしている最中に強く伸展されて起こる損傷です。
DIP関節の自動屈曲だけができないことから、深指屈筋腱の損傷が考えられます。
ジャージーフィンガーと呼ばれ、環指に多いことも特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 正中索はPIP関節を伸展させる伸筋腱の一部です。
損傷するとPIP関節が伸展できなくなり、ボタン穴変形の原因となります。
本例はPIP関節の自動伸展が可能です。
2:× 終止腱はDIP関節を伸展させる伸筋腱の末端です。
損傷するとDIP関節が伸展できない槌指(マレット指)となります。
本例はDIP関節の伸展が可能です。
3:× 掌側板はPIP関節の過伸展を防ぐ構造で、損傷するとPIP関節の腫脹や過伸展の不安定性が生じます。
本例は関節部に腫脹がなく、DIP関節の屈曲障害とも合いません。
4:○ 深指屈筋腱は末節骨底に停止し、DIP関節を屈曲させる唯一の筋です。
腱が停止部で断裂または裂離するとDIP関節の自動屈曲ができなくなり、本例の所見と一致します。
【ポイント】
深指屈筋腱の検査では、PIP関節を固定してDIP関節の屈曲を確認します。
浅指屈筋腱はPIP関節を屈曲させる筋で、DIP関節は屈曲させません。