41歳の男性。
ランニング中、段差につまずいて右手掌を衝き、前腕を回内強制された。
右肘関節前外側に疼痛、腫脹、変形がみられる。
また、感覚障害はみられなかったが、運動障害はみられた。
肘関節側面の単純エックス線写真(別冊No.3)を別に示す。
この場合の運動障害はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
手掌を衝いて前腕の回内を強制され、肘関節の前外側に疼痛・腫脹・変形があります。
別冊No.3の肘関節側面像では、橈骨頭が上腕骨小頭と向き合っていません。
橈骨の長軸の延長線が小頭の中心を通らず、橈骨頭が前方へ脱臼していると読み取れます。
橈骨頭の前方脱臼では、すぐ近くを走る後骨間神経が損傷されることがあります。
後骨間神経は運動枝なので、感覚障害を伴わない運動障害となります。
【選択肢別解説】
1:× 手関節の背屈は主に長橈側手根伸筋が担い、この筋は後骨間神経が分かれる前の橈骨神経本幹に支配されます。
後骨間神経麻痺では手関節背屈は保たれ、橈屈を伴いながら背屈できます。
2:× 手関節の掌屈は、橈側手根屈筋(正中神経)と尺側手根屈筋(尺骨神経)が担います。
後骨間神経麻痺では障害されません。
3:○ MP関節の伸展は総指伸筋などが担い、後骨間神経の支配です。
後骨間神経麻痺では手指のMP関節を伸展できない下垂指となります。
4:× MP関節の屈曲は骨間筋や虫様筋が担い、尺骨神経と正中神経の支配です。
後骨間神経麻痺では障害されません。
【ポイント】
高位の橈骨神経麻痺は手関節も背屈できない下垂手、後骨間神経麻痺は下垂指と区別します。
後骨間神経麻痺では、手背の感覚障害がみられないことが鑑別点です。