30歳の男性。
屋根の修理中バランスを崩し、落下した際に踵を強打し負傷した。
腫脹は踵骨部に強く、足関節まで波及している。
限局性圧痛も著明である。
また疼痛のため、患側肢で立つことは出来ないが、足関節の屈伸運動は可能である。
続発症として起こりにくいのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は起こりにくいものを選ぶので、○ が答え(続発症として起こりにくいもの)です。
高所から転落して踵を強打し、踵骨部に強い腫脹と限局性圧痛があり、起立不能な症例です。
受傷機転と所見から踵骨骨折と考えます。
【選択肢別解説】
1:× 慢性浮腫は踵骨骨折の続発症として起こりやすいものです。
出血と腫脹が強く、静脈やリンパの還流が障害されて浮腫が長引きます。
2:× ズデック骨萎縮は踵骨骨折の続発症として起こりやすいものです。
疼痛、腫脹、皮膚の変化と急速な骨萎縮を示し、足部の骨折後に起こりやすいとされます。
3:○ 無腐性骨壊死は踵骨骨折では起こりにくいものです。
踵骨は海綿骨に富み、周囲から豊富な血液供給を受けているためです。
無腐性骨壊死が問題になるのは、距骨や舟状骨、大腿骨頭などの骨折です。
4:× 腓骨筋腱鞘炎は踵骨骨折の続発症として起こりやすいものです。
踵骨の外側壁が膨隆し、外果の下を通る腓骨筋腱を圧迫・刺激するためです。
【ポイント】
踵骨骨折の続発症は、扁平足、距踵関節の変形性関節症、腓骨筋腱鞘炎、慢性浮腫、ズデック骨萎縮です。
骨壊死を起こしやすい骨は、栄養血管が限られた距骨・舟状骨・大腿骨頭と整理します。