正答1
解説
正解は1です。
棘果長(SMD)は上前腸骨棘から内果までの距離で、骨盤や大腿骨の損傷による下肢長の変化をみる指標です。
上前腸骨棘が上方へ移動すると延長し、下方へ移動するか股関節より遠位が短縮すると短縮します。
【選択肢別解説】
1:○ デュベルニー骨折では棘果長が延長することがあります。
デュベルニー骨折は腸骨翼の単独骨折です。
上前腸骨棘を含む骨片が腹筋群などに引かれて外上方へ転位すると、測定の起点が上がるため棘果長は延長します。
2:× マルゲーニュ骨折では棘果長は延長しません。
マルゲーニュ骨折は骨盤の前方と後方が縦に骨折する重度の骨盤輪骨折です。
患側の半骨盤は上前腸骨棘と股関節を含んだまま上方へ転位します。
測定の起点と下肢が一緒に動くため棘果長は変わらず、臍果長が短縮します。
3:× 大腿骨頸部内転型骨折では棘果長は短縮します。
内転型骨折は不安定型で、遠位骨片が筋の牽引により上方へ転位します。
そのため患肢は短縮し、外旋位をとります。
4:× 股関節後方脱臼では棘果長は短縮します。
大腿骨頭が臼蓋の後上方へ逸脱するため、患肢は短縮し、屈曲・内転・内旋位に弾発性固定されます。
【ポイント】
下肢の骨折・脱臼の多くは棘果長が短縮します。
延長する例外として、腸骨翼骨折(デュベルニー骨折)と股関節前方脱臼の一部を押さえておきます。