16 歳の男子。
高校の野球部に所属している。
7 歳の時、ジャングルジムから転落し左肘骨折の既往歴がある。
肘関節の屈曲で肘内側部から前腕尺側にかけてしびれがあり、握力も低下してきたため来所した。
患肢は外反肘変形を呈している。
考えられる所見はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
小児期の肘骨折の後に外反肘変形が残り、年月を経て尺骨神経の症状が出てきた症例です。
肘屈曲で肘内側から前腕尺側にしびれが出て握力も低下しており、遅発性尺骨神経麻痺が考えられます。
上腕骨外顆骨折の偽関節などで外反肘になると、肘の内側を通る尺骨神経が引き伸ばされて障害されます。
【選択肢別解説】
1:× 母指球筋の萎縮は尺骨神経麻痺ではみられません。
母指球筋の多くは正中神経に支配され、萎縮は手根管症候群などでみられます。
2:○ フローマン徴候が陽性になります。
母指と示指で紙をはさんで引っ張ると、母指の IP 関節が屈曲する徴候です。
尺骨神経支配の母指内転筋が麻痺するため、正中神経支配の長母指屈筋で代わりに挟もうとして起こります。
3:× 下垂手は尺骨神経ではなく橈骨神経の麻痺でみられます。
手関節と指の伸筋群が働かなくなり、手首が垂れ下がります。
4:× 示指・中指末節の感覚異常は尺骨神経ではなく正中神経の障害でみられます。
尺骨神経の感覚支配は小指と環指の尺側半分です。
【ポイント】
上腕骨外顆骨折の偽関節は外反肘、顆上骨折の変形治癒は内反肘を残します。
外反肘は遅発性尺骨神経麻痺の原因となり、フローマン徴候や鷲手がみられます。