40 歳の女性。
3 か月前からマラソン大会に向けランニングを始めた。
1 週前からランニング中に右膝関節部に疼痛を感じるようになった。
特に腫脹はみられず、図のように大腿骨外顆やや近位を圧迫しながら膝関節を伸展させると疼痛が誘発された。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
ランニングを始めて間もない女性が、膝外側の痛みを訴えている症例です。
図では、検者が母指で大腿骨外側上顆のやや近位を押さえながら、膝関節を伸展させています。
これはノーブルテスト(ノーブル圧迫テスト)で、圧迫部の疼痛誘発は腸脛靱帯炎を示します。
【選択肢別解説】
1:× ジャンパー膝ではありません。
ジャンパー膝は膝蓋腱の付着部障害で、圧痛は膝蓋骨の下端(下極)など膝の前面にみられます。
ジャンプ動作の反復で起こり、大腿骨外顆部を圧迫しても疼痛は誘発されません。
2:○ 腸脛靱帯炎が考えられます。
腸脛靱帯は大腿の外側を走り、膝の屈伸のたびに大腿骨外側上顆の上を前後に移動します。
ランニングでこの摩擦が繰り返されると炎症が起こり、ランナー膝とも呼ばれます。
外側上顆を圧迫しながら膝を伸展させると、腸脛靱帯が圧迫部を乗り越えるときに疼痛が出ます。
3:× 半月板損傷ではありません。
半月板損傷では関節裂隙の圧痛、マックマレーテスト陽性、ロッキングや関節水腫がみられます。
本例は腫脹もなく、圧痛部位も関節裂隙ではありません。
4:× 膝外側側副靱帯損傷ではありません。
外側側副靱帯損傷は膝に内反力が加わる外傷で起こり、内反ストレステストで疼痛や動揺性が出ます。
本例には外傷歴がなく、ランニングで徐々に生じた点が異なります。
【ポイント】
腸脛靱帯炎は膝屈曲約30度で靱帯が外側上顆と最もこすれやすく、ノーブルテストやグラスピングテストで評価します。