21 歳の男性。
1 か月前から投球時右肩部に痛みが出現するため来所した。
同部にわずかな熱感がみられ、肩関節自動運動に制限はみられないが、挙上時や外転外旋運動時に疼痛と引っかかり感が出現した。
考えられるのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4です。
投球動作で肩関節を挙上・外転外旋したときに、疼痛と引っかかり感が出る若い投球選手の症例です。
自動運動の制限はなく、関節内や肩峰下で組織が挟まれる・ずれることで起こる障害が考えられます。
【選択肢別解説】
1:○ SLAP 損傷が考えられます。
SLAP 損傷は、上腕二頭筋長頭腱が付着する上方関節唇が前後方向にはがれる損傷です。
投球の外転外旋位で上腕二頭筋長頭腱が関節唇を引くことを繰り返して起こります。
外転外旋時の疼痛と、関節内での引っかかり感(クリック)が特徴です。
2:× 肩甲上神経麻痺は考えにくい疾患です。
肩甲上神経麻痺では棘上筋・棘下筋の萎縮と、外転・外旋の筋力低下が主な症状です。
引っかかり感は生じず、本例の症状とは一致しません。
3:× 石灰沈着性肩関節周囲炎は考えにくい疾患です。
石灰沈着性腱板炎は40〜50代の女性に多く、急に激しい痛みが起こり、自動運動が強く制限されます。
21歳の男性で自動運動に制限がない本例とは合いません。
4:○ 肩峰下インピンジメント症候群が考えられます。
腕を挙上すると、腱板や肩峰下滑液包が肩峰と上腕骨頭の間に挟まれます。
投球動作の反復で炎症が起こり、挙上時の疼痛と引っかかり感が出ます。
【ポイント】
投球障害肩では、関節内の SLAP 損傷と関節外の肩峰下インピンジメントの両方を考えます。
石灰沈着性腱板炎は中年女性の急性激痛と覚えておきましょう。