70 歳の女性。
5 日前から右背部に違和感があり、今朝から火照るような痛みになった。
衣服を着替える時に、右胸から側胸部を通って背中まで身体の右半周に赤い発疹と水疱が出ていることに気付いた。
考えられる疾患はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
70歳の女性で、数日前からの違和感と痛みが先に現れ、そのあと右半身だけに帯状の赤い発疹と水疱が出ています。
片側の胸から背中まで、肋間神経の支配領域に沿って皮疹が並ぶ点が診断の決め手です。
【選択肢別解説】
1:× 肝硬変は考えられません。
肝硬変の皮膚所見は黄疸、クモ状血管腫、手掌紅斑などで、帯状の水疱は生じません。
2:○ 帯状疱疹が考えられます。
水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節に潜み、加齢や免疫低下で再び活動して発症します。
神経に沿った痛みが先に出て、その後に片側の神経支配領域(デルマトーム)に一致して紅斑と水疱が帯状に現れます。
胸部の肋間神経領域に最も多くみられます。
3:× 単純性疱疹(単純ヘルペス)は考えにくいです。
単純ヘルペスは口唇や陰部に小さな水疱が集まってできるもので、体の半周に及ぶ帯状の分布はとりません。
4:× 全身性エリテマトーデスは考えられません。
若い女性に多い自己免疫疾患で、蝶形紅斑、関節炎、腎障害などがみられ、帯状の水疱は生じません。
【ポイント】
帯状疱疹は「高齢者、先行する神経痛、片側性、デルマトームに一致した帯状の水疱」が特徴です。
皮疹が治った後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛が問題になります。