65 歳の男性。
2 年前の高所からの転落で上部胸髄損傷で対麻痺がある。
車いすでの日常生活は自立していたが、急に頭痛、顔面紅潮、発汗が出現した。
注意するのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
上部胸髄損傷の患者に、急な頭痛、顔面紅潮、発汗が出現しています。
これは自律神経過反射(自律神経反射異常)の典型的な症状です。
第6胸髄より上の損傷で起こりやすく、麻痺域への刺激をきっかけに急激な血圧上昇を生じます。
【選択肢別解説】
1:○ 膀胱への多量の尿の貯留に注意します。
膀胱の充満は、自律神経過反射の最も多いきっかけです。
直ちに座位にして導尿などで膀胱を空にし、血圧を確認します。
2:× 股関節などの異所性骨化は、この急性症状の原因として注意する対象ではありません。
異所性骨化は脊髄損傷後に股関節周囲などに生じますが、主な症状は局所の腫脹、熱感、可動域制限です。
3:× 肺炎の有無は、この急性症状の原因として注意する対象ではありません。
肺炎では発熱、咳、痰、呼吸困難がみられ、急な顔面紅潮と発汗の発作とは結びつきません。
4:× 両下肢の筋緊張の亢進は、この症状の原因として注意する対象ではありません。
痙縮は慢性期の脊髄損傷で一般的にみられますが、頭痛や顔面紅潮を伴う発作の原因ではありません。
【ポイント】
自律神経過反射は「高位胸髄以上の損傷、膀胱充満や便秘などの刺激、急な高血圧、頭痛、顔面紅潮、発汗、徐脈」で覚えます。
対応はまず座位をとらせ、刺激の原因を取り除くことです。