A さん(36 歳、未妊婦)は 4 か月前から月経中の下腹部痛が強くなっていることを自覚し、近くの産婦人科を受診した。
月経は規則的で量は正常。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:半年前に結婚し、結婚後も仕事を継続している。
家族歴:A さんの母親は乳癌の手術歴があり、母方の祖母が乳癌で死亡している。
身体所見:身長 157 cm、体重 52 kg。
検査所見:内診にて骨盤内に強い癒着や圧痛はみられない。
経腟超音波検査で左卵巣内に 3 cm 大の子宮内膜症性囊胞が確認された。
初診から 2 か月後、A さんは卵巣子宮内膜症性囊胞の変化を確認するため、再度受診し、受診前の問診で乳癌に関して助産師に相談した。
A さんは「家族に乳癌が多いので自分も乳癌にならないか心配だ」と助産師に話した。
A さんの乳癌発症のリスクを評価するのに、助産師が A さんに確認すべき情報はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
Aさんの母親と母方の祖母が乳癌を発症しており、Aさんは自分も乳癌にならないか心配しています。
家族に乳癌が多い場合は、遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)の可能性を考えて情報を集めます。
【選択肢別解説】
1:× 子宮内膜症の既往は、乳癌の遺伝的なリスク評価に必要な情報ではありません。
2:○ 乳癌の発症年齢は最も重要な情報です。
若い年齢(おおむね45歳以下)での発症は、遺伝性乳癌を疑う手がかりになります。
3:× 食生活は乳癌のリスク因子の1つですが、家族歴から遺伝的なリスクを評価するうえでは優先度が低い情報です。
4:× 月経歴(初経や閉経の年齢)は本人のリスク因子として意味がありますが、母や祖母の月経歴から遺伝的なリスクはわかりません。
5:× 体重(肥満)も本人のリスク因子ですが、家族の遺伝的なリスク評価には直結しません。
【ポイント】
遺伝性乳癌を疑う家族歴の特徴は「若年発症」「両側の乳癌」「近い血縁者に複数の乳癌・卵巣癌」「男性の乳癌」です。
疑わしい場合は、遺伝カウンセリングを受けられる施設を紹介します。