A さん(30 歳、1 回経産婦)は、妊娠 37 週の妊婦健康診査で B 群溶血性連鎖球菌〈GBS〉陽性であったが、それ以外の妊娠経過に異常はなかった。
妊娠 40 週 5 日の午後 10 時に A さんは電話で「午後 4 時くらいから不規則に子宮収縮がありましたが、午後 7 時からは規則的に 15 分間隔になり、今も変わりません。生理痛のような痛みがあります。昨日の妊婦健康診査で、子宮の出口は 2 cm 開いていると言われました。昨日から褐色のおりものがありますが、破水はしていません。いきみたい感じはありません」と落ち着いて話した。
その後 A さんは入院し、陣痛発来 5 時間後に陣痛間欠 5 分、陣痛発作 40 秒となった。
内診所見は、子宮口 7 cm 開大、展退度 80 %、Station ±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は前方であった。
矢状縫合は斜径、小泉門は 5 時方向、卵膜は触れず、薄いピンク色の羊水の流出を確認した。
胎児心拍数陣痛図の波形はレベル 2 。
腰部痛があるため左側臥位で過ごしており、肛門が押される感じがすると訴えている。
このときの対応で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・3
解説
正解は2と3です。
入院後、陣痛発来5時間で子宮口7cm開大、Station±0の経産婦です。
小泉門が5時方向と後方(仙骨側)寄りに触れることから後方後頭位の傾向があり、腰痛や肛門の圧迫感もそれに一致します。
薄いピンク色の羊水流出から破水しており、胎児心拍数陣痛図はレベル2です。
【選択肢別解説】
1:× 破水後の入浴は上行性感染のリスクを高めます。
AさんはGBS陽性でもあり、入浴は勧められません。
2:○ 四つん這いの姿勢では、重い児背が重力で母体の腹側に向かい、児頭が前方へ回旋しやすくなります。
仙骨部への圧迫も軽くなり、後方後頭位による腰痛を和らげます。
3:○ 分娩には多くのエネルギーを使います。
経過が正常な産婦には、陣痛の合間に消化のよい食事や飲み物の摂取を勧め、体力を保ちます。
4:× 子宮口7cmの段階でいきむと、子宮頸管の浮腫や裂傷を起こします。
バルサルバ法(息を止めていきむ方法)は子宮口全開大後に行うもので、今は呼吸法でいきみを逃がします。
5:× レベル2は亜正常波形で、監視を強める必要がある段階です。
連続モニタリングを続けるのが原則で、間欠的聴取に変えるのは適切ではありません。
【ポイント】
後方後頭位の産婦には、四つん這いや児背側を上にした側臥位など、回旋を促す体位を勧めます。
子宮口全開大前の努責感には、短促呼吸などで力を逃がすよう援助します。