A さん(37 歳、 2 回経産婦)はこれまでの出産はいずれも正常分娩であった。
診療所に通院し、今回の妊娠経過中に異常の指摘はなかった。
妊娠 40 週 5 日、前期破水で入院した。
午前 8 時には、第 2 頭位で内診所見は子宮口 3 cm 開大、展退度 50 %、 Station ±0、子宮頸管の硬度は軟、子宮口の位置は後方であった。
13 時に子宮口が全開大した。
小泉門が先進して 0 時方向に触知し、その上方には恥骨結合後面が 1/2 触れる。
やや大きく産瘤が触知するが発作時には Station +2 まで児頭が触れる。
陣痛発作のたびに最下点 90 bpm 前後の変動一過性徐脈がみられているが、間欠時には回復している。
助産師は吸引分娩となる可能性を考え、準備を始めた。
このときの児頭最大径が位置すると考えられる骨盤の位置はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
内診では、恥骨結合の後面を触れる範囲から、児頭の最大周囲径がどの骨盤の位置にあるかを推定できます。
本例では恥骨結合後面が1/2触れており、産瘤があるため、触れる先進部の位置より実際の児頭の骨の位置は高いと考えます。
【選択肢別解説】
1:× 入口部ではありません。
児頭の最大周囲径が入口部にあるとき、恥骨結合後面はほぼ全体が触れます。
2:○ 濶部にあると考えられます。
恥骨結合後面が1/2触れる場合、児頭の最大周囲径は骨盤濶部にあると推定します。
大きな産瘤のために先進部はStation+2と触れても、児頭の骨の部分はまだ高い位置にあります。
3:× 峡部ではありません。
最大周囲径が峡部まで下降すると、恥骨結合後面は下方の1/3程度しか触れなくなります。
4:× 出口部ではありません。
最大周囲径が出口部にあるときは、恥骨結合後面はほとんど触れません。
【ポイント】
吸引分娩は、児頭の最大周囲径が十分に下降している(目安はStation+2以上)ことが条件で、産瘤がある場合は位置を高く見積もらないよう注意します。
陣痛発作時の変動一過性徐脈が反復しているため、胎児の状態も合わせて評価します。