A さん(30 歳、経産婦)は身長 162 cm、体重 60 kg、特記すべき合併症はなく、妊娠経過に異常は認めず、胎児の発育は順調であった。
妊娠 38 週 6 日、11 時 30 分に破水感で受診し高位破水の診断で入院した。
妊娠 39 週 0 日、前期破水の適応のため分娩誘発の方針となり、オキシトシン点滴静脈内注射を開始し、9 時 30 分に陣痛発来した。
11 時 45 分に完全破水し、羊水混濁は認めなかった。
15 時 35 分に子宮口全開大し Station ±0 となった。
その後、16 時に Station +1、16 時 30 分に Station +2、17 時 30 分に Station +3 と経過した。
経過中、胎児心拍数陣痛図は reassuring fetal status であった。
その後、19 時 30 分に Station +3 であった。
このときの胎児心拍数陣痛図(別冊No. 3)を別に示す。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
15時35分に子宮口が全開大し、17時30分にStation+3となってから19時30分まで、2時間児頭の下降がみられません。
経産婦で分娩第2期が約4時間に及んでおり、分娩第2期遷延・分娩停止と判断できます。
胎児心拍数陣痛図では、基線は145bpm前後で、基線細変動は保たれています。
陣痛に伴う軽い一過性の心拍低下はありますが、高度な徐脈はみられません。
陣痛は約2〜3分ごとに、十分な強さで起きています。
【選択肢別解説】
1:× 経過観察は適切ではありません。
陣痛は十分なのに児頭の下降が2時間止まっており、自然な娩出は期待しにくい状態です。
2:○ 吸引分娩の準備をするのが適切です。
子宮口全開大、破水済みで、児頭はStation+3まで下降しており、吸引分娩の条件を満たしています。
3:× ジノプロストの準備は適切ではありません。
陣痛はすでに十分です。
オキシトシンとジノプロストを同時に使うと過強陣痛の危険があるため、併用は行いません。
4:× オキシトシン点滴の中止を準備する状況ではありません。
過強陣痛や胎児機能不全を示す所見はないためです。
5:× メチルエルゴメトリンは胎児娩出前には使用しません。
子宮を持続的に強く収縮させるため、胎児の低酸素や子宮破裂の危険があります。
【ポイント】
分娩第2期に陣痛が十分でも児頭の下降が止まった場合は、分娩停止として急速遂娩を検討します。
吸引分娩の条件は、子宮口全開大、破水済み、児頭が十分に下降していること、CPDがないことなどです。