A さん(31 歳、経産婦)は身長 156 cm、体重 59 kg。
妊娠中、母児ともに経過は順調であった。
妊娠 37 週 3 日、20 時に腹部緊満感の増強で来院し、内診所見は子宮口 4 cm 開大、展退度 30 %、Station −3、陣痛間欠 10 分であり、そのまま入院した。
入院時の胎児心拍数陣痛図では、胎児心拍数基線は 145 bpm、基線細変動は正常で一過性頻脈がみられた。
妊娠 37 週 4 日、6 時の胎児心拍数陣痛図(別冊No. 2)を別に示す。
その後、A さんは 4,100 g の児を出産した。
会陰裂傷はⅣ度であり会陰裂傷縫合術が行われた。
分娩後の A さんへの対応で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・2
解説
正解は1と2です。
Ⅳ度会陰裂傷は、肛門括約筋だけでなく直腸粘膜まで裂けた最も重い会陰裂傷です。
縫合部の離開や感染、直腸腟瘻を防ぐための管理が必要になります。
【選択肢別解説】
1:○ 緩下薬を投与するのは適切です。
便を軟らかくして排便時のいきみを減らし、縫合した肛門括約筋と直腸粘膜への負担を防ぎます。
2:○ 抗菌薬を投与するのは適切です。
直腸粘膜まで裂けているため、腸内細菌による創部感染のリスクが高く、予防的に抗菌薬を用います。
3:× 普通食にするのは適切ではありません。
便量を少なくして創部を保護するため、低残渣食などに調整します。
4:× 血圧を2時間ごとに測定する必要はありません。
妊娠高血圧症候群などの合併はなく、会陰裂傷の管理に頻回の血圧測定は必要ありません。
5:× トイレ歩行以外は動かないようにする必要はありません。
安静を強いる理由はなく、血栓症予防のためにも早期離床を勧めます。
【ポイント】
会陰裂傷はⅠ度が皮膚・腟粘膜、Ⅱ度が会陰筋層、Ⅲ度が肛門括約筋、Ⅳ度が直腸粘膜までの損傷です。
巨大児(4,000g以上)の分娩は、高度な会陰裂傷のリスク因子です。