A 病院の産科病棟は 5 階に位置している。
平均分娩数は 40 件/月で、母児同室としている。
発災 3 日、B さん(28 歳、初産、産後 40 日)から産科へ相談があった。
児は出生体重 3,200 g で、発災前日の体重は 4,500 g、授乳回数は 1 日に 10 回で母乳のみであった。
昨日は排便 5 回/日、排尿回数は不明だが、量は減っていない。
発災後の授乳回数は変わらず、 1 回 20 mL の人工乳を夕方と夜に補足している。
自宅には被害がなく、ライフラインは復旧している。
B さんは「地震後、母乳が出にくくなった気がして心配です。授乳以外にも余震のたびに目が覚めてしまいます。大丈夫でしょうか」と話した。
助産師の B さんへの説明で適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
発災後に母乳が出にくくなった気がすると不安を訴える褥婦の相談です。
児の体重増加や排泄の状況から、母乳が実際に足りているかを判断することが大切です。
【計算】
出生体重3,200gから発災前日の体重4,500gまでの増加量は1,300gです。
発災前日は産後37日にあたるため、1,300g÷37日で1日あたり約35gの増加です。
【選択肢別解説】
1:× ミルクを湯ざましに変えると、児に必要な栄養が不足します。
湯ざましを多く飲ませると、母乳の摂取量も減ってしまいます。
2:× 余震のたびに目が覚めるのは、発災直後の自然なストレス反応です。
睡眠導入薬は授乳や夜間の育児に影響するため、まず必要とする状況ではありません。
3:○ 発災前の体重増加は1日約35gと良好で、排便5回/日、排尿量も減っていません。
母乳は十分に足りていると判断でき、今までどおり頻回に吸わせることで分泌も保たれると伝えます。
4:× 自宅に被害はなく、ライフラインも復旧しています。
福祉避難所は自宅での生活が困難な要配慮者のための施設であり、移動を検討する必要はありません。
【ポイント】
ストレスで一時的に射乳反射が起こりにくくなることはありますが、頻回の授乳で母乳の分泌は保たれます。
災害時も母乳育児を継続できるよう、児の体重や排泄を根拠に安心を伝えます。