A さん(38 歳、初産婦)は 3,000 g の児を正常分娩した。
分娩所要時間は 22 時間で出血量は 250 mL。
会陰裂傷はⅠ度で縫合せず、産道損傷はない。
産褥 1 日の外陰部診察で会陰部は発赤や腫脹はなく、軽度の疼痛があった。
肛門部に母指頭大で浮腫状の腫瘤が認められ、出血はなく、触れると疼痛を訴える。
A さんへの助産師の対応で適切なのはどれか。
2 つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
産褥1日、肛門部に母指頭大の浮腫状で圧痛のある腫瘤がみられます。
分娩時の怒責によって生じた痔核(脱肛)が最も考えられますが、腟壁や会陰の血腫との区別も必要です。
【選択肢別解説】
1:○ 肛門部の腫瘤が痔核なのか、腟壁や会陰深部の血腫が広がったものなのかを区別する必要があります。
内診で腟壁の腫脹や血腫の有無を確認し、他の異常を除外します。
2:× 浮腫と疼痛が強い時期に無理に整復すると、疼痛が増したり粘膜を傷つけたりするおそれがあります。
まず軟膏や冷罨法で浮腫と炎症を軽減することを優先します。
3:× 飲食を控える必要はありません。
むしろ便秘になると排便時のいきみで痔核が悪化するため、十分な水分と食物繊維の摂取を勧めます。
4:× 授乳や育児、排便などの日常動作で腹圧を完全に避けることは現実的ではありません。
排便を我慢すると便秘で悪化するため、腹圧を避けるより便を軟らかく保ち、長時間いきまないよう伝えます。
5:○ 医師から処方された抗炎症作用のある軟膏を塗布すると、痔核の浮腫と疼痛が軽減します。
助産師は処方に基づいて塗布し、症状の変化を観察します。
【ポイント】
産褥期の痔核は「浮腫と炎症の軽減(軟膏・冷罨法)」「便秘予防」が基本のケアです。
会陰部の強い痛みや腫脹があるときは、血腫を見逃さないことが重要です。