A さん(32 歳、初産婦)は妊娠 40 週6日、自然陣痛発来後に入院した。
分娩は順調に進行し児頭が娩出されたが、第4回旋の後に助産師が前在肩甲の娩出を試みたところ娩出が困難な状況となった。
このときの助産師の対応で正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・5
解説
正解は2と5です。
児頭が娩出された後に前在肩甲が恥骨結合に引っかかって出てこない状態は、肩甲難産です。
児の低酸素や腕神経叢損傷を防ぐため、速やかで適切な手技が求められます。
【選択肢別解説】
1:× 児頭を腟内に押し戻して帝王切開を行う方法(Zavanelli法)は、ほかの方法がすべて無効なときに医師が行う最終手段です。
助産師がまず行う対応ではありません。
2:○ 恥骨結合の直上を圧迫すると、前在肩甲が内側へ押されて肩幅が狭くなり、恥骨結合の下をくぐりやすくなります(恥骨上部圧迫法)。
3:× 児頭を強く下方へ牽引すると、腕神経叢麻痺の原因になります。
牽引を強めてはいけません。
4:× 肩が引っかかったまま努責を強めると、肩がさらに恥骨結合に押し付けられ、状況が悪化します。
子宮底を押す圧迫も禁忌です。
5:○ 産婦の両側の股関節を強く屈曲させる方法(McRoberts法)は、骨盤の傾きを変えて恥骨結合を持ち上げ、前在肩甲を外しやすくします。
【ポイント】
肩甲難産では、まず応援を呼び、McRoberts法と恥骨上部圧迫法を行います。
巨大児、糖尿病合併妊娠、遷延分娩などがリスク因子です。