第102回 助産師国家試験 午後問106
Aさん(32歳、初産婦)。
病院の産婦人科で、妊婦健康診査を受けていた。
合併症はなく、妊娠経過および胎児の発育は順調であった。
既往歴に特記すべきことはない。
妊娠40週3日、自宅で陣痛発来および破水を認めたため、産婦人科病棟に入院した。
胎児推定体重は3,400g。
羊水混濁は認めない。
子宮口が全開大後、胎児心拍数陣痛図にて高度遅発一過性徐脈を認めたため、吸引分娩による急速遂娩を行うこととなった。
出生した児は男児で出生体重 3,650 g。
Apgar〈アプガー〉スコアは1分後 8 点、 5 分後 9 点。
出生後2時間、児の診察を行ったところ、全身状態は良好だが、左側頭部から耳朶にかけて膨隆を認めた。
膨隆は波動を触れて軟らかく、冠状縫合を超えて隆起していた。
今後の児の継続観察で注意する所見はどれか。
正答1
解説
正解は1。
「冠状縫合を超えて隆起する波動を触れる頭部膨隆」は帽状腱膜下血腫(subgaleal hemorrhage)の所見で、頭蓋全体を覆う帽状腱膜下の腔に血液が貯留し成人血液量の20〜40%(80mL/kg程度)が失われ得る緊急性の高い病態。
継続観察項目は頭囲拡大(1が正答、血腫進行の指標)、循環不全(頻脈・末梢冷感・SpO2低下)、貧血、播種性血管内凝固(DIC)。
2の早発黄疸は溶血や血腫吸収で起こり得るがまず循環・貧血評価が優先。
3の胆汁性嘔吐は腸閉塞所見で本病態とは別。
4のチアノーゼは観察項目だが頭囲拡大より特異性が低い。
5の顔面神経麻痺は分娩外傷で発生するが鉗子分娩等の所見と関連、本症例の主要観察項目ではない。
助産師は新生児外傷の鑑別(産瘤、頭血腫、帽状腱膜下血腫)と緊急度判定を行う。まとめて解く
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