A 市で震度 6 強の地震が発生した。
発災後 9 日目、立ち上げた 10 か所の避難所では、他自治体から派遣された保健師チームが、避難所の環境整備や避難者の健康観察を行っている。
発災後 7 か月が経過し、ボランティアも含め外部支援者は減ってきた。
A 市では、12 名の保健師の内 2 名が被災によって退職した。
働いている保健師の中には 「笑っても良いのだと思ったのは被災後 6 か月だった」と語る人もいる。
一方で、住民からは育児相談や中断している育児支援教室に関する問い合わせが増えてきた。
A 市の統括保健師は、休止していた母子保健事業の全面再開と共に、次の災害へ備えた保健師の活動体制作りを考えている。
A 市の統括保健師によるスタッフへの対応で適切なのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
発災から7か月が経ち、外部からの支援が減る一方で、A市の保健師は2名が退職し、残った保健師にも心の負担が残っています。
「笑っても良いのだと思ったのは被災後6か月だった」という発言は、支援者自身も被災者として長く心の負担を抱えてきたことを示しています。
統括保健師には、事業を再開しながら、スタッフの心の健康を守る役割があります。
【選択肢別解説】
1:× 保健所保健師に事業の再開を依頼するのは適切ではありません。
母子保健事業は市町村が実施主体であり、A市の保健師が担う業務です。
2:× 保健師チームの応援の増強を要請するのは適切ではありません。
発災から7か月が経ち、外部支援から地元の体制での活動に移行していく時期です。
3:× 住民への全戸訪問を最優先するよう伝えるのは適切ではありません。
人員が減り、保健師自身も疲弊している中で業務を一気に増やすと、スタッフの心身の不調を招くおそれがあります。
4:○ 職場で保健師自らの気持ちを話す機会をつくることが適切です。
被災体験やこれまでの思いを安心して語り合うことで、気持ちの整理や支え合いにつながります。
スタッフが心身の健康を保つことは、事業の再開と次の災害への備えを続けるための土台になります。
【ポイント】
災害時の支援者は、自身も被災しながら長期間働くため、心の負担が蓄積しやすいです。
統括保健師は、職員の健康管理と語り合いの場づくりなど、支援者支援を組織として行います。