Aさん(45歳、男性)は社員数80名の会社で経理事務に従事している。
発熱と咳が続いたため病院を受診したところ、画像診断で空洞を伴う肺病変があり、喀痰塗沫検査陽性、喀痰PCR検査陽性となったことから肺結核と診断され、結核病床のある病院に入院した。
抗結核薬による治療開始後6週で喀痰中の結核菌は陰性化したため、Aさんは退院し、外来で治療を継続することとなった。
薬剤感受性検査では1剤に耐性がみられたが、この薬剤はAさんの治療には使用されていない。
接触者健康診断の結果、肺結核の発病者は発見されなかったが、15 名の対象者中3名が潜在性結核感染症と診断され、治療を開始することになった。
潜在性結核感染症の治療に関して正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
潜在性結核感染症(LTBI)は、結核菌に感染しているものの発病していない状態です。
発病を防ぐために抗結核薬を内服しますが、自覚症状がなく服薬を中断しやすいため、服薬支援が重要です。
【選択肢別解説】
1:× 潜在性結核感染症の治療は、イソニアジドの6か月または9か月の内服が標準です。
12か月間ではありません。
2:○ 潜在性結核感染症の人も、結核患者と同様に地域DOTS(直接服薬確認療法)の対象です。
保健所が服薬の継続を支援し、治療の完遂を目指します。
3:× BCG接種は未感染の乳幼児の結核予防のために行います。
すでに感染している人の治療の代わりにはなりません。
4:× 治療を要する潜在性結核感染症は、感染症法上の無症状病原体保有者として、診断した医師が保健所に発生届を提出する必要があります。
届出は必要です。
【ポイント】
潜在性結核感染症は「届出が必要」「医療費の公費負担の対象」「DOTSの対象」と、結核患者に準じた扱いを受けます。
治療の完遂が発病予防の鍵であり、保健所の服薬支援が欠かせません。