A さん(50 歳、男性)は市の集団健康診査で空腹時血糖が 140 mg/dL、ヘモグロビン A1c〈HbA1c〉が 6.8 % であったことから、健康診査の結果相談会に来所した。
保健師が話を聞くと、健康診査のときに医師から受診を勧められたものの、A さんは「自覚症状がないから大丈夫」といい、まだ受診していなかった。
保健師は A さんに、このまま放置した場合の身体への影響を科学的な根拠に基づいて説明した。
保健師の働きかけは、ヘルスビリーフモデルの主要な概念のどれか。
正答3
解説
正解は3です。
ヘルスビリーフモデルでは、疾病の罹患性と重大性の認識が「脅威」となり、行動の有益性と障害の認識の差し引きで予防的行動がとられると考えます。
保健師は、受診しないまま放置した場合の身体への影響を科学的根拠に基づいて説明しています。
【選択肢別解説】
1:× 障害の認識は、受診にかかる時間や費用、手間など行動を妨げる要因についての認識です。
保健師はこれらに触れていません。
2:× 有益性の認識は、受診や治療によって得られる利益についての認識です。
今回の説明は行動の利益ではなく、放置した結果に焦点を当てています。
3:○ 放置すると合併症などの深刻な結果を招くと伝えることは、疾病の重大性の認識を高める働きかけです。
空腹時血糖140mg/dL、ヘモグロビンA1c(HbA1c)6.8%と糖尿病型の値であることが説明の根拠になります。
4:× 罹患性の認識は、自分がその病気にかかる可能性についての認識です。
今回は「かかるかどうか」ではなく「放置した場合の影響」を説明しています。
【ポイント】
「かかりやすさ」は罹患性、「かかったときの深刻さ」は重大性と区別しましょう。
「自覚症状がないから大丈夫」という対象者には、重大性の認識を高めることが受診行動の動機づけになります。