「あがる」という動詞には、前世紀末には「上へ移動する」「緊張する」などの意味があったが、近年若年層で「テンションがあがる」という意味が付け加わっている。
この変化の記述として適切でないのはどれか。
正答2
解説
解説
(要点まとめ)
1. 問題の背景「あがる」という語は、もともと「上へ移動する」「緊張する」といった意味をもつ。
しかし、最近では「テンションがあがる=気分が高まる」という新しい意味が生まれている。
このような変化は、語の意味変化(semantic change)の一例。
2. 意味変化とは時間の経過とともに、語の意味が拡張・転用・変化する現象。
日常語では頻繁に起こる。
例:「やばい」:危険 → すごい/かっこいい「鬼」:恐ろしい存在 → 「鬼かわいい」「鬼忙しい」など、強調表現
3. 「社会方言」と「地域方言」の違い地域方言(dialect):地理的な地域差による言葉の違い(例:関西弁、東北弁など)。
社会方言(sociolect):年齢・職業・性別・階層など、社会的属性による言葉の違い。
例:若者言葉・業界用語など。
4. 問題文の誤りの理由「テンションがあがる」という表現は、地域ではなく若者世代を中心に広まった社会的な言葉の変化。
したがって、広まるまでの間も「地域方言」ではなく、「社会方言(若者言葉)」と考えるのが正しい。
「言語共同体全体に広まるまでは、地域方言とみなされる」という記述は誤り。
5. 各選択肢のポイント時間が経つにつれ、語の意味が変化するという例である。
→ 意味変化の典型。 正しい。
言語共同体全体に広まるまでは、地域方言とみなされる。
→ 地域差ではなく世代差による変化。 誤り。
この意味変化を知らない高齢者には、理解されない可能性がある。
→ 世代間の言語差を示す。 正しい。
「この前バンドでステージに立ってあがった」は複数の解釈があり得る。
→ 「緊張した」「テンションが上がった」など、意味の多義性がある。 正しい。
「あがる」という動詞は既にあるが、意味が拡張しているので社会方言と言える。
→ 若者層を中心とした新用法。 正しい。
6. まとめ「あがる」は新しい意味(テンションが上がる)を獲得しつつある。
これは意味の拡張であり、社会方言的変化。
よって、誤りの記述は
👉 「言語共同体全体に広まるまでは、地域方言とみなされる。」