正答1
解説
正解は1です。
側頭骨の中を通る顔面神経が完全に切れると、損傷側に末梢性の顔面神経麻痺が起こります。
障害は損傷と同じ側(左)に現れ、額を含む顔面全体の表情筋が麻痺します。
【選択肢別解説】
1:○ 左前頭筋の脱力は起こります。
末梢性麻痺では額のしわ寄せもできなくなり、ここが中枢性麻痺との違いです。
2:× 下顎反射は三叉神経が担うため、顔面神経の損傷では消失しません。
求心路も遠心路も三叉神経です。
3:× 顔面の知覚は三叉神経が担うため、知覚は消失しません。
顔面神経が担うのは表情筋の運動と、舌前方3分の2の味覚などです。
4:× 麻痺が出るのは右ではなく左です。
さらに末梢性の障害なので、下部だけでなく顔面全体が麻痺します。
5:× 反射が消失するのは右ではなく左のアブミ骨筋です。
アブミ骨筋は同側の顔面神経の枝が支配するため、右側の筋の反射は保たれます。
【ポイント】
顔面神経麻痺は「損傷と同側」に出ます。
額のしわ寄せができないのが末梢性、額が保たれるのが中枢性(核上性)です。
【用語】
側頭骨:頭蓋骨の側面にある骨で、内部に中耳や内耳、顔面神経の通り道を含む。
顔面神経:第7脳神経で、表情筋の運動と舌の前方3分の2の味覚を担う神経である。
アブミ骨筋反射:大きな音に対してアブミ骨筋が収縮し、内耳を守る反射である。
下顎反射:下顎を軽くたたくと口が閉じる反射で、三叉神経が関与する。