正答1
解説
正解は1です。
聴覚フィルタは、内耳の基底膜が周波数ごとに音を分ける働きを帯域フィルタとしてとらえたものです。
その帯域幅を臨界帯域幅といいます。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:○ 誤った記述です。
内耳性難聴では外有毛細胞の働きが落ちて周波数選択性が悪くなるので、臨界帯域幅は減少ではなく拡大します。
その結果、雑音の影響を受けやすくなります。
2:× 正しい記述です。
中心周波数1000Hzでの臨界帯域幅は約160Hzです。
3:× 正しい記述です。
中心周波数がおよそ500〜1000Hz以上では、臨界帯域幅は中心周波数の約2割で、約1/4〜1/3オクターブに当たります。
4:× 正しい記述です。
帯域雑音の幅を広げると、臨界帯域幅まではマスキング量が増えます。
臨界帯域幅を超えると、フィルタの外の成分は寄与しないのでマスキング量はほとんど増えなくなります。
5:× 正しい記述です。
中心周波数が低い範囲(およそ100〜500Hz)では、臨界帯域幅は約100Hzでほぼ一定です。
【ポイント】
臨界帯域は、フレッチャーの帯域拡大法で求められた概念です。
内耳性難聴では聴覚フィルタが広がり、雑音下での聞き取りが悪くなることが臨床的に重要です。
【用語】
聴覚フィルタ:内耳が周波数ごとに音を分けて処理する働きを、帯域ごとのフィルタに見立てたものである。
臨界帯域幅:聴覚フィルタが一つのまとまりとして働く周波数の幅で、マスキングの起こりやすさに関わる。
マスキング:ある音が別の音の存在によって聞こえにくくなる現象である。
帯域雑音:特定の周波数の範囲にだけエネルギーをもつ雑音で、マスカーとして用いられる。