正答1
解説
正解は1です。
嚥下造影検査(VF)はX線で嚥下を透視する検査、嚥下内視鏡検査(VE)は鼻から入れた内視鏡で咽頭と喉頭を直接見る検査です。
それぞれ得意な評価項目が異なります。
【選択肢別解説】
1:○ 喉頭挙上障害は、嚥下造影検査のほうが有用です。
舌骨や喉頭が上前方へ動く様子をX線で側面から観察できますが、内視鏡では嚥下の瞬間に視野が遮られて観察できません。
2:× 声門閉鎖不全は、嚥下内視鏡検査のほうが有用です。
声帯を上から直接見て、閉鎖の状態を確認できるからです。
3:× カーテン徴候は、嚥下内視鏡検査や口腔の視診で観察します。
発声時に咽頭後壁が健側へ引かれる動きを直接見る所見で、透視では捉えにくいです。
4:× 梨状陥凹の唾液残留は、嚥下内視鏡検査のほうが有用です。
唾液は造影剤を含まないためX線には写りません。
5:× 咽頭・喉頭の感覚低下は、嚥下内視鏡検査のほうが有用です。
内視鏡の先端で粘膜に触れ、反射の有無を確かめることができます。
【ポイント】
嚥下造影検査は「嚥下中の動き(口腔期・喉頭挙上・食道期)」、嚥下内視鏡検査は「咽頭と喉頭の直視(唾液・声門・感覚)」が得意です。
嚥下内視鏡検査は被曝がなく、ベッドサイドで繰り返し行えます。
【用語】
嚥下造影検査:造影剤を含んだ食べ物を飲み込む様子を、X線で撮影して調べる検査である。
嚥下内視鏡検査:鼻から内視鏡を入れて、咽頭や喉頭の様子と嚥下の状態を直接観察する検査である。
カーテン徴候:発声時に咽頭後壁が健側へ引かれる所見で、舌咽・迷走神経の一側の麻痺でみられる。
梨状陥凹:喉頭の左右にある食物の通り道となるくぼみで、嚥下後に食物が溜まりやすい部位である。
喉頭挙上:嚥下のときに、喉頭が上前方へ持ち上がる動きのことを指す。