正答5
解説
正解は5です。
重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により、筋が疲れやすくなる疾患です。
嚥下に関わる筋も、使い続けるうちに力が落ちていきます。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答えです。
【選択肢別解説】
1:× 咀嚼障害はみられます。
食事の途中から咀嚼筋が疲れて、かみ続けられなくなります。
2:× 鼻咽腔逆流はみられます。
軟口蓋の筋力が低下して鼻咽腔を閉じられず、飲食物が鼻へ逆流します。
3:× 咽頭収縮不全はみられます。
咽頭収縮筋の筋力が低下し、食塊を送り込む力が弱くなります。
4:× 咽頭食物残留はみられます。
咽頭収縮が弱いため、喉頭蓋谷や梨状陥凹に食物が残ります。
5:○ 舌の線維束性収縮はみられません。
線維束性収縮は下位運動ニューロンの障害でみられる所見で、筋萎縮性側索硬化症などに特徴的です。
【ポイント】
重症筋無力症の特徴は「易疲労性と日内変動(夕方に悪化)」です。
舌の萎縮や線維束性収縮があれば、運動ニューロン疾患を考えます。
【用語】
重症筋無力症:神経と筋の接合部の障害で、筋が疲れやすくなり脱力が生じる自己免疫疾患である。
鼻咽腔逆流:嚥下の際に、食物が鼻咽腔から鼻腔へ逆流してしまう現象である。
咽頭収縮不全:嚥下時に咽頭の筋が十分に収縮せず、食物を送り込む力が弱い状態を指す。
線維束性収縮:筋の一部がぴくぴくと不規則にけいれんする現象で、運動ニューロンの障害でみられる。