正解を3つ選んでください。
正答1・4・5
解説
正解は1と4と5です。
外傷性脳損傷後には、失語症とは異なる認知コミュニケーション障害がみられます。
前頭葉損傷による注意や遂行機能の障害が背景にあり、語用論的な側面が障害されやすいのが特徴です。
【選択肢別解説】
1:○ 場面にふさわしい話題を選択できないことは特徴の1つです。
状況や相手に合わせて話題を調整する語用論的な能力が低下するためです。
2:× ナラティブの基底(意味)構造の処理は保たれません。
話の要点をまとめたり、筋道立てて話を構成したりすることが難しくなります。
3:× 話し手と聞き手の役割を適切に交替できるとは限りません。
話を独占したり割り込んだりするなど、話者交替の障害がよくみられます。
4:○ 相手の発話意図や言外の意味を推論できないことは特徴の1つです。
皮肉や冗談、遠回しな依頼などを文字どおりに受け取ってしまいます。
5:○ 注意障害や遂行機能障害が関与することは特徴の1つです。
これらの認知障害が、話のまとまりのなさや脱線の背景にあります。
【ポイント】
外傷性脳損傷のコミュニケーション障害は、語彙や文法よりも、談話や語用論の障害が中心です。
評価では、会話場面の観察が重要になります。
【用語】
外傷性脳損傷:交通事故や転倒などの頭部への外力により、脳が損傷を受けた状態である。
言外の意味:ことばに直接表れていない、話し手の本当の意図や含みを指す。
遂行機能障害:目標を立て、計画して実行するといった一連の行動がうまくできなくなる状態である。
ナラティブ:出来事を時間や因果の流れに沿ってまとめて語る、物語形式の談話を指す。
語用論:ことばが場面や相手との関係の中で、どのように使われ解釈されるかを扱う分野である。