正答1・3
解説
本問は採点除外(公式で1と3のどちらも正解とされた問題)です。
本試験では、誤っているものを1つ選ぶ問題として出題されました。
厚生労働省は「正解となる選択肢が複数あった為、複数の肢を正解として採点する。」と発表し、1と3のどちらも正解としました。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
気管切開は気道の確保や痰の吸引のために行われますが、嚥下機能にさまざまな悪影響を与えます。
【選択肢別解説】
1:○ 誤った記述です。
気管切開では、呼気が声門を通らずに切開孔から抜けます。
そのため、声門下圧は上昇ではなく低下します。
2:× 正しい記述です。
気管カニューレが気管を皮膚に固定するため、嚥下時の喉頭の挙上が制限されます。
3:○ 誤った記述です。
気道を空気が通らなくなると、気道の感覚が鈍くなります。
感覚の閾値は低下ではなく上昇します。
4:× 正しい記述です。
膨らませたカフが気管の後ろにある頸部食道を圧迫し、食塊の通過を妨げます。
5:× 正しい記述です。
吸痰の刺激で咳や嘔吐反射が誘発されることがあります。
【ポイント】
気管切開のある人では、スピーチバルブで呼気を声門に通すと、声門下圧が回復し発声も可能になります。
カフ付きカニューレでも、カフの上にたまった分泌物の誤嚥は防げません。
【用語】
気管切開:気道を確保するために、首の前面から気管に穴を開ける処置である。
声門下圧:声門のすぐ下の気管内にかかる空気の圧力で、発声や咳の力に関わる。
気道感覚閾値:気道への刺激を感じ取れる最小の強さのことで、高いほど感じにくい。
カフ:気管カニューレの先についている風船状の部分で、空気を入れて気管との隙間をふさぐ。
吸痰:チューブで気道にたまった痰を吸い取る処置で、気管切開のある人に行われる。