図は標準失語症検査(SLTA)のプロフィール(C)のうち、「聴く」「話す」「復唱」を抜粋したものを示す。
実線で結ばれた得点プロフィールを示した患者について想定される失語症タイプはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
標準失語症検査(SLTA)のプロフィールから、失語症のタイプを推定する問題です。
【図の所見】
図の上の目盛りは、平均を0とし標準偏差を1とした得点(Z得点)です。
「聴く」は、単語の理解が10点中8点、短文の理解が6点、口頭命令に従うが0点で、いずれも平均の0を下回っています。
「話す」は、呼称が20点中8点、動作説明が4点、語の列挙が3点、まんがの説明が2点で、いずれも平均を下回っています。
一方、「復唱」は、単語の復唱が10点中10点で満点、文の復唱が4点で、ともに平均を上回っています。
つまり、聴覚的理解と発話は障害されているのに、復唱だけが保たれているパターンです。
【選択肢別解説】
1:× 全失語では、聴く・話す・復唱のすべてが重度に障害されます。
図では復唱が保たれているため一致しません。
2:× 伝導性失語は、理解が比較的保たれる一方で復唱が強く障害されるタイプです。
図では復唱が最も良好なので逆のパターンです。
3:× 失名辞失語(健忘失語)は、喚語困難が中心で、聴覚的理解と復唱は良好です。
図では聴覚的理解も低下しているため一致しません。
4:× 超皮質性運動失語は、発話が乏しい一方で聴覚的理解は比較的保たれるタイプです。
図では口頭命令に従うが0点で、理解が強く障害されているため一致しません。
5:○ 超皮質性感覚失語は、聴覚的理解が障害され、発話には錯語や意味の乏しさがみられる一方で、復唱は保たれるタイプです。
図の所見とよく一致します。
【ポイント】
復唱が保たれる失語は「超皮質性」と名のつくタイプと失名辞失語です。
そのうえで、理解が障害されていれば超皮質性感覚失語、発話の開始が障害されていれば超皮質性運動失語と見分けます。
【用語】
標準失語症検査:日本で広く使われる失語症の総合的な検査で、SLTAともいう。
超皮質性感覚失語:復唱は良好だが、聴理解が障害され言葉の意味がわからない流暢性の失語である。
失名辞失語:物の名前が出てこない喚語困難を主症状とする失語のタイプである。
全失語:聞く、話す、読む、書くのすべてが重度に障害された失語のタイプである。
伝導性失語:聴理解は保たれ、復唱が著しく障害される流暢性の失語で、伝導失語ともいう。