正答3
解説
正解は3です。
遺伝性難聴の頻度、遺伝形式、経過の特徴を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× ミトコンドリアDNAは卵子を通して母親からだけ子に伝わります。
3243点変異も父親ではなく、母親から遺伝します。
2:× 遺伝性難聴は、ほかの症状を伴わない非症候群性のものが多数を占めます。
症候群性のものの方が少ないです。
3:○ ミトコンドリアDNAの1555点変異をもつ人は、アミノ配糖体系抗菌薬に高い感受性をもちます。
少量の投与でも高度の難聴が発症するため、記述は正しいです。
4:× 先天性難聴のうち遺伝性のものは約半数とされ、約9割ではありません。
残りは胎内感染などの環境要因によるものです。
5:× 非症候群性の遺伝性難聴にも進行するものがあります。
例えばSLC26A4遺伝子の変異による難聴は、変動しながら進行することがあります。
【ポイント】
日本人の先天性難聴の原因遺伝子として、GJB2遺伝子が最も多いとされます。
遺伝学的検査は難聴の予後予測や治療方針の決定にも役立ちます。
【用語】
遺伝性難聴:遺伝子の変化によって生じる難聴で、生まれつきのものと後から出てくるものがある。
症候群性:難聴に加えて、他の臓器や器官の異常を伴う状態を指す。
非症候群性:難聴以外に、他の臓器や器官の異常を伴わないものを指す遺伝性難聴の分類である。
ミトコンドリアDNA:細胞内のミトコンドリアがもつ独自の遺伝子で、母親のみから子へ伝わる。
先天性難聴:生まれたときからある難聴で、遺伝によるものと胎児期や周産期の原因によるものがある。