図は標準失語症検査(SLTA)のプロフィール(C)のうち、「聴く」「話す」「復唱」を抜粋したものである。
ここでは各検査項目の得点がZ得点に変換されている。
実線で結ばれた得点プロフィールを示した患者について想定される失語症タイプはどれか
正答3
解説
正解は3です。
図は標準失語症検査(SLTA)の「聴く」「話す」「復唱」の結果を、平均を0とするZ得点で表したものです。
実線で結ばれた得点の位置から、保たれている能力と低下している能力を読み取ります。
【選択肢別解説】
1:× 全失語では、すべての項目が大きく低下します。
図では「聴く」と「話す」の多くがZ得点0付近に保たれており、当てはまりません。
2:× 語義失語では、単語の理解が強く障害され、復唱は保たれます。
図では単語の理解が10点(Z得点が0より高い)と良好で、復唱が低いため、当てはまりません。
3:○ 図では、単語の理解は10点でZ得点0を上回っています。
短文の理解は8点、口頭命令に従うは4点で、いずれもZ得点0付近です。
「話す」の呼称(12点)、動作説明(5点)、語の列挙(3点)、まんがの説明(3点)もZ得点0付近に保たれています。
一方、単語の復唱は4点、文の復唱は0点で、Z得点−1付近まで低下しています。
理解と発話が比較的保たれ、復唱だけが目立って低下するのは伝導失語の特徴です。
4:× 失名辞失語では呼称が低下し、復唱は保たれます。
図では呼称が保たれ、復唱が低下しているため、当てはまりません。
5:× 超皮質性運動失語では自発的な発話が乏しく、復唱は良好に保たれます。
図では発話の項目が保たれ、復唱が低下しているため、逆のパターンです。
【ポイント】
復唱が障害される失語はブローカ失語、ウェルニッケ失語、伝導失語、全失語です。
復唱が保たれるのは超皮質性失語と失名辞失語です。
【用語】
標準失語症検査:日本で広く使われている、失語症の総合的な検査で、略称はSLTAである。
Z得点:得点が平均から標準偏差の何個分離れているかを表した値である。
伝導失語:流暢な発話で理解は良好だが、復唱が悪く音韻性錯語が目立つ失語症である。
語義失語:語の意味の理解が選択的に障害され、復唱や音読は保たれる失語症である。
超皮質性運動失語:発話の開始が乏しい非流暢な発話だが、復唱は良好に保たれる失語症である。
失名辞失語:流暢な発話の中で、物の名前が出てこないことが主症状の失語症である。