正答4
解説
正解は4です。
広帯域サウンドスペクトログラムから語を読み取る問題です。
横軸は時間、縦軸は周波数で、黒い部分が強いエネルギーを表します。
図の所見は次のとおりです。
0.05〜0.17秒付近に、高い周波数まで広がる不規則な雑音があり、無声の破擦音または摩擦音の特徴です。
続く0.17〜0.57秒の母音では、第2ホルマントが約1.4kHzから約2.1kHzへ上昇しており、[u]から[i]への移行を示します。
0.57〜0.67秒は全周波数で空白の無音区間で、破裂音の閉鎖区間に当たります。
0.67秒に縦線状の破裂があり、その後の母音は第1ホルマントが高く第2ホルマントと近接しており、[a]の特徴です。
0.85〜0.97秒に再び無音区間と破裂があり、続く母音は第1ホルマントが低く第2ホルマントが約1.8kHzにあり、[e]の特徴です。
したがって「ツ(破擦音+u)・イ・タ(閉鎖+a)・テ(閉鎖+e)」と読め、「ついたて」です。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
「みちくさ」は語頭が鼻音[m]で、低い周波数の弱い鼻音区間で始まるはずですが、図の語頭は高周波の雑音です。
2:× 誤りです。
「くれない」は語頭が[k]の短い破裂で始まり、途中に[ɾ]や鼻音[n]の有声区間が続くはずです。
図のように長い雑音で始まり、はっきりした無音区間が2回現れるパターンとは合いません。
3:× 誤りです。
「しんこく」は語頭の摩擦の後に撥音の鼻音区間が続き、最後の母音は[u]になるはずで、図の最後の母音[e]と合いません。
4:○ 正しい選択です。
語頭の破擦音、[u]から[i]への第2ホルマントの上昇、2つの閉鎖区間、[a]と[e]の母音がすべて「ついたて」と一致します。
5:× 誤りです。
「うみがめ」は語頭が母音[u]で雑音がなく、途中に鼻音[m]の区間が入るはずで、図と合いません。
【ポイント】
無声破裂音は無音区間と縦線状の破裂、摩擦音・破擦音は高周波の雑音として現れます。
母音は第1・第2ホルマントの位置で識別し、[i]は第2ホルマントが高く、[a]は第1ホルマントが高いのが特徴です。
【用語】
広帯域サウンドスペクトログラム:音の周波数成分の時間変化を、横軸を時間、縦軸を周波数として濃淡で表した図の一種である。
ホルマント:声道の共鳴によって生じる、スペクトル上のエネルギーが強い周波数帯で、母音の区別の手がかりとなる。
破擦音:閉鎖をつくったあと、ゆっくり開放して摩擦を続けて出す子音である。
閉鎖区間:破裂音などで口の中の通り道を完全にふさいでいる間のことで、スペクトログラムでは空白になる。