正答4
解説
正解は4です。
抗コリンエステラーゼ薬で症状が改善する疾患、つまり神経筋接合部の疾患を問う問題です。
抗コリンエステラーゼ薬はアセチルコリンの分解を抑え、神経筋接合部のアセチルコリン量を増やします。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
筋萎縮性側索硬化症は上位と下位の運動ニューロンが変性する疾患で、抗コリンエステラーゼ薬では改善しません。
2:× 誤りです。
ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄などによる急性の麻痺で、治療は免疫グロブリン療法や血漿交換です。
3:× 誤りです。
パーキンソン病は黒質のドパミン神経の変性による疾患で、治療の中心はL-ドパなどです。
4:○ 正しい選択です。
重症筋無力症はアセチルコリン受容体に対する自己抗体で神経筋伝達が障害される疾患です。
眼瞼下垂が初発症状として多く、抗コリンエステラーゼ薬で改善します。
5:× 誤りです。
筋強直性ジストロフィーは遺伝性の筋疾患で、筋強直と筋萎縮が特徴です。
抗コリンエステラーゼ薬で眼瞼下垂は改善しません。
【ポイント】
重症筋無力症の診断にはエドロホニウム(テンシロン)試験が用いられます。
症状が夕方に増悪する日内変動と易疲労性も特徴です。
【用語】
抗コリンエステラーゼ薬:アセチルコリンを分解する酵素の働きを抑え、神経から筋への伝達を強める薬である。
眼瞼下垂:上まぶたが十分に上がらず、目が開きにくくなる状態である。
筋強直性ジストロフィー:遺伝性の筋疾患で、筋肉が収縮したままゆるみにくい筋強直と筋萎縮が特徴である。
ギラン・バレー症候群:感染後などに末梢神経が障害され、急速に手足の筋力低下が進む疾患である。
重症筋無力症:神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体により、筋力低下と疲れやすさを生じる自己免疫疾患である。