正答5
解説
正解は5です。
この問題は脳梁損傷で起こらないものを選ぶので、○ が答えです。
脳梁が損傷されると、左右の大脳半球の間で情報が伝わらなくなる離断症状が起こります。
言語は左半球、空間性の注意や構成は右半球が優位なことを手がかりに考えます。
【選択肢別解説】
1:× 左手を動かす右半球に、左半球からの動作の指令が届かないため、左手の失行が起こります。
2:× 左半球の言語情報が右半球に届かないため、左手で字を書けない左手の失書が起こります。
3:× 右手を動かす左半球に、右半球の空間処理の情報が届かないため、右手の構成障害が起こります。
4:× 右手を支配する左半球は右半球の空間性注意を利用できないため、右手で作業すると左側を無視することがあります。
5:○ 右手の触覚情報は左半球に届き、そのまま言語野で名前を言えるため、右手の触覚性呼称障害は起こりません。
脳梁損傷で起こるのは、触覚情報が右半球に入る左手の触覚性呼称障害です。
【ポイント】
脳梁離断症状は、左手に出るもの(失行・失書・触覚性呼称障害)と、右手に出るもの(構成障害・左半側空間無視)に分けて覚えましょう。
【用語】
失行:運動麻痺や理解の低下がないのに、目的に沿った動作を正しく行えなくなる症状である。
失書:運動麻痺や視覚の障害がないのに、文字を書くことが障害された状態である。
構成障害:部分を空間的に組み立てて全体の形を作ることが難しくなり、図形の模写などで明らかになる症状である。
半側空間無視:大脳半球の損傷と反対側の空間にある刺激に気づかず、反応しなくなる注意の障害である。
触覚性呼称障害:目を閉じて触った物の名前を言えなくなる症状で、触覚情報と言語野との連絡の障害でも生じる。