正答4
解説
正解は4です。
健忘症候群は、意識や知能は比較的保たれているのに、新しいことを覚えられない前向性健忘を中心とする状態です。
記憶に関わる脳部位を選ぶ問題です。
【選択肢別解説】
1:× 被殻は大脳基底核の一部で、運動の調節に関わります。
被殻出血では片麻痺などが起こりますが、健忘症候群の責任部位ではありません。
2:× 淡蒼球も大脳基底核の一部で、運動の調節に関わります。
3:× 黒質は中脳にあるドパミン神経の起始核で、障害されるとパーキンソン病の症状が出ます。
4:○ 前脳基底部は記憶に関わるアセチルコリン神経の起始部です。
前交通動脈瘤の破裂などで損傷されると健忘症候群が起こります。
5:× 脳梁は左右の大脳半球をつなぐ線維で、損傷では左手の失行・失書などの離断症状が起こります。
健忘症候群の責任部位ではありません。
【ポイント】
健忘症候群を起こす代表的な部位は、海馬などの内側側頭葉、視床(背内側核など)、前脳基底部、乳頭体です。
コルサコフ症候群(ビタミンB1欠乏)も関連して頻出です。
【用語】
前向性健忘:発症後に経験した新しい出来事を、覚えられない記憶障害である。
前脳基底部:大脳半球の底面近くにある領域で、記憶に関わるアセチルコリン神経の起始核を含む。
淡蒼球:大脳基底核を構成する神経核のひとつで、運動の調節に関わる。
前交通動脈瘤:左右の前大脳動脈をつなぐ前交通動脈にできるこぶで、破裂するとくも膜下出血の原因となる。
アセチルコリン:神経細胞同士の情報伝達に働く物質で、記憶や学習、筋の収縮などに関わる。