ボイラーの取扱作業に関するAからDまでの記述で、法令上、一級ボイラー技士をボイラーの取扱作業主任者として選任できる作業を全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
ただし、いずれのボイラーも、異常があった場合に安全に停止させることができる機能を有する自動制御装置を設置していないものとする。
A 最高使用圧力1.6MPa、伝熱面積180㎡の廃熱ボイラー6基を取り扱う作業
B 最高使用圧力1.2MPa、最大電力設備容量500kWの電気ボイラー20基を取り扱う作業
C 最高使用圧力1.2MPa、伝熱面積245㎡の蒸気ボイラー2基及び最高使用圧力0.2MPa、伝熱面積14㎡の温水ボイラー1基の計3基のボイラーを取り扱う作業
D 最高使用圧力1.6MPa、伝熱面積165㎡の蒸気ボイラー3基及び最高使用圧力1.6MPa、伝熱面積30㎡の貫流ボイラー1基の計4基のボイラーを取り扱う作業
正答5
解説
正解は5です。
ボイラー取扱作業主任者の資格は、ボイラー及び圧力容器安全規則(以下、ボイラー則)第24条により、取り扱うボイラーの伝熱面積の合計で決まります。
一級ボイラー技士を選任できるのは、合計が500m²未満の作業です。
500m²以上は、特級ボイラー技士でなければなりません。
合計の算定では、貫流ボイラーは10分の1、火気以外の高温ガスを利用する廃熱ボイラーは2分の1とします。
労働安全衛生法施行令(以下、令)第20条第5号イ〜ニの小規模ボイラーは、合計に算入しません。
本問のボイラーは自動制御装置を備えていないので、最大のもの以外を算入しない特例は使えません。
【計算】
Aの合計 = 180m² × 1/2 × 6基 = 540m²
Bの1基 = 500kW ÷ 20kW/m² = 25m²
Bの合計 = 25m² × 20基 = 500m²
Cの合計 = 245m² × 2基 = 490m²(14m²の温水ボイラーは算入しない)
Dの蒸気ボイラー = 165m² × 3基 = 495m²
Dの貫流ボイラー = 算入しない(小規模ボイラー)、又は 30m² × 1/10 = 3m²
Dの合計 = 495m²(3m²を加えても498m²)
【記述別解説】
A:× 選任できません。
廃熱ボイラーは伝熱面積を2分の1にして1基90m²とし、6基で540m²です。
500m²以上なので、特級ボイラー技士でなければなりません。
B:× 選任できません。
出題当時の規定では、電気ボイラーは電力設備容量20kWを1m²とみなすので、1基25m²です。
20基で500m²となり、500m²以上なので特級ボイラー技士が必要です。
C:○ 選任できます。
伝熱面積14m²の温水ボイラーは令第20条第5号ハの小規模ボイラーにあたり、合計に算入しません。
合計は490m²で、500m²未満です。
D:○ 選任できます。
伝熱面積30m²の貫流ボイラーは、令第20条第5号ニの小規模ボイラーにあたれば算入せず、そうでなくても10分の1の3m²です。
合計は495m²(多くても498m²)で、500m²未満です。
選任できるのはCとDです。
【選択肢別解説】
1:× AとBはどちらも合計が500m²以上で、選任できません。
2:× 選任できないAとBを含んでいます。
3:× 選任できないAを含んでいます。
4:× 選任できないBを含み、Cが抜けています。
5:○ CとDの組合せで、選任できる作業だけをすべて挙げています。
【ポイント】
なお、2023年12月18日施行の改正で、電気ボイラーの換算は「60kWを1m²」に変わりました。
現行の換算ではBは1基約8.3m²、20基で約166.7m²となり、一級ボイラー技士を選任できる計算になります。
本問は、改正前の「20kWを1m²」を前提とした公式正答です。