30歳女性。
高校3年生のときにきっかけもなく元気がなくなり、3ケ月間学校を休んだことがあったが、特に治療を受けずに回復した。
その後は順調であったが、1ケ月前に急に元気がなくなり、会社を休んだりしていた。
ここ数日は「偉大な発見をしたので、自分には特別な才能がある」と言ったり、誰彼構わず夜中に電話をするといった状態が持続するため、母親に連れられて来院した。
母親によると2週間前から母親と話していても、話の内容が次々と脱線し、話している内容がまとまらない、些細なことを契機に怒り出すなど、普段とは異なる行動がみられた。
睡眠をほとんどとっていないが、本人は疲れを感じていない。
親戚や友人への電話で家や車の購入計画などを話し、相手が反対すると激怒するようになった。
血液生化学検査、脳画像検査、脳波検査、脳脊髄液検査で異常はない。
飲酒・喫煙歴なし。
違法薬物の使用歴もない。
診察の結果、患者は双極性障害と診断された。
(問155 薬理)双極性障害に用いられる薬物の薬理作用に関する記述として、正しいのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答3・5
解説
正解は3と5。
アリピプラゾールはドパミンD2受容体とセロトニン5-HT1A受容体に対する部分刺激薬(パーシャルアゴニスト)として作用し、ドパミン系の過不足を緩和するドパミン・システムスタビライザーである。
ラモトリギンは電位依存性Na+チャネルを遮断してグルタミン酸などの興奮性伝達物質遊離を抑制し、神経の過剰興奮を鎮める。
炭酸リチウムはイノシトールモノホスファターゼを阻害してPI代謝回転を「抑制」するのであり亢進ではないため肢1は誤り。
オランザピンの主作用はドパミンD2・セロトニン5-HT2A受容体遮断でありCa2+チャネルα2δサブユニット結合はガバペンチノイドの機序であるため肢2は誤り。
GABAトランスアミナーゼ阻害はビガバトリンの機序でありカルバマゼピンはNa+チャネル遮断が主体であるため肢4も誤り。