図中の直線は、3種の薬物A、B、Cがそれぞれ溶解補助剤Xと可溶性複合体AX、BX、CXを形成し、溶解度が増大する様子を示している。
(図: 横軸=溶解補助剤Xの添加濃度、縦軸=薬物の溶解度の相図。3直線A・B・Cはいずれも右上がりの直線である。Xを添加しないときの縦軸切片(各薬物本来の溶解度)はAとCがほぼ同じ高さで、Bはそれより低い(A=C>B)。傾きはAとBがほぼ等しく互いに平行で、Cはそれより明らかに緩やかであり、Cの直線は途中でBと交差する。)
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
なお、いずれの場合も安定度定数Kは次式で表される。
K = [可溶性複合体] / ([薬物]・[X])
ただし、[ ]は濃度を示す。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3。
可溶性複合体形成による溶解度上昇は直線の傾き〔K・S0/(1+K・S0)に等しい。S0はXを添加しないときの薬物本来の溶解度〕で評価でき、Xを添加しないときの切片(縦軸切片)はA=C>Bの順である。
AとCは切片(S0)が等しいにもかかわらずAの方が傾きが急であるため、K=傾き/〔S0×(1−傾き)〕の関係からAXの安定度定数はCXの安定度定数より大きいといえる。
BXとCXについては、Bは切片(S0)がCより小さいうえ傾きはCより大きいため安定度定数Kはむしろ大きくなり「BXの方が小さい」は誤りで、AとBは直線の傾きがほぼ等しいものの、傾きが等しいことはK・S0が等しいことを意味するため、切片(S0)がAより小さいBの方がKは大きくなり、AXとBXの安定度定数が等しいとはいえない。
またKの値が大きいほど複合体形成の平衡が右に偏り安定な複合体を形成することを意味するため、「Kが小さいほど安定」は逆の記述である。