25℃において、水0.1 Lに一定量の一価の弱電解質の薬物結晶を加えた。
pHを変化させて溶解平衡に達したとき、pH5からpH8における溶液中の薬物の総濃度と分子形薬物濃度がグラフのようになった。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
ただし、薬物の分子形とイオン形の溶解平衡時の濃度比はHenderson-Hasselbalchの式に従い、薬物の溶解やpH調整に伴う容積変化は無視できるものとする。
(図:左のグラフは横軸pH(5〜8)、縦軸「薬物の総濃度(mol/L)」(0〜1.2)。pH5で約0.1、pH6で約0.2、pH7で急上昇し約1.1に達し、pH7〜8では約1.1で一定。右のグラフは横軸pH(5〜8)、縦軸「分子形薬物濃度(mol/L)」(0〜0.12)。pH5〜7では0.10で一定、pH7〜8にかけて曲線的に低下しpH8で約0.01となる。)
正解を2つ選んでください。
正答2・4
解説
正解は2と4。
総薬物濃度はpHの上昇とともに増加し、pH7で頭打ちとなって以降一定であることから、pH7の時点で結晶がすべて溶解したことを示す。
溶解している固体(分子形)の濃度がpH5〜7で0.10 mol/Lと一定であるのは固体が残存する間の分子形飽和濃度(内因性溶解度)であり、この特徴は弱酸性化合物のもの(イオン化により総溶解度がpH上昇で増加する)である。
pH7ちょうどで全固体が溶け切り、その直前まで分子形濃度は0.10 mol/Lで一定、総濃度は1.10 mol/Lに達しているため、イオン形濃度は1.10−0.10=1.00 mol/Lとなり、分子形:イオン形=0.10:1.00=1:10となる。
この比からHenderson-Hasselbalchの式より薬物のpKaは7−log10=6であり、5ではない。
用いた薬物量は総濃度1.10 mol/L×0.1 L=0.11 molであり1.1 molではない。
pH8では総濃度は一定(1.10 mol/L)のままで結晶はすでに消失している。