図1及び図2は、アスパラギン酸プロテアーゼ及びシステインプロテアーゼによる基質加水分解の初期反応過程の模式図である。
以下の記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(図1:アスパラギン酸プロテアーゼの活性部位模式図。基質のアミド結合(R1-CH-NH-C(=O)-NH-CO-R2)に対し、アスパラギン酸残基ア(Asp)が水分子を活性化し、その水が基質のカルボニル炭素を求核攻撃、アスパラギン酸残基イ(Asp)が基質カルボニル基と水素結合する。図2:システインプロテアーゼの活性部位模式図。基質のアミド結合に対し、ヒスチジン残基ウ(His)のイミダゾール環がシステイン残基エ(Cys)のスルファニル基(SH)と水素結合し、そのSがカルボニル炭素を求核攻撃する。テキスト化困難なため図を参照。)
正解を2つ選んでください。
正答4・5
解説
正解は4と5。
アスパラギン酸プロテアーゼでは、脱プロトン化したアスパラギン酸ア(塩基として働く)が水分子からプロトンを引き抜き求核性を高めた水が基質カルボニル炭素を攻撃し、もう一方のアスパラギン酸イが基質カルボニル酸素と水素結合して求電子性を高める(求核性ではない)。
システインプロテアーゼでは、ヒスチジンウ(塩基として働く)がシステインエのスルファニル基からプロトンを引き抜くことでチオラートの求核性を高め、そのSが直接基質カルボニル炭素を攻撃する(システイン自身は塩基ではなく求核剤として働く)。
したがって、水またはCysのSHを脱プロトン化して求核性を高める塩基として働くアとウの組合せ、および、ウ・エの相互作用がエの求核性を高めるという4は正しく、2の記述(イの相互作用が基質の求核性を高める)は、実際には基質カルボニル基の求電子性を高めるものであるため誤りである。