肝代謝のみで消失する薬物400mgをヒトに単回静脈内投与した際、図に示す血中濃度推移が得られた。
この薬物の体内動態は線形性を示し、経口投与時に門脈血中に移行する割合は100%である。
この薬物を反復経口投与し、定常状態での平均血中薬物濃度を3.5μg/mLとしたい。
この薬物の肝クリアランス(L/h)及び1日あたりの投与量(mg)の組合せとして最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
なお、肝血流速度は80 L/h、ln2=0.693とする。
(図:血中薬物濃度の片対数グラフ。縦軸は血中薬物濃度(μg/mL、1〜10の対数目盛)、横軸は時間(h、0〜10)。時間0でおよそ8 μg/mLから開始し、時間の経過とともに直線的に減少し、時間10でおよそ1.1 μg/mLに達する単純な片対数の直線的減衰。)
正答5
解説
正解は5。
図より血中濃度はt=0でC0≈8 μg/mL、t=7hでC≈2 μg/mLとほぼ2回半減しており消失半減期t1/2≈3.5 hと読める。
分布容積Vd=投与量/C0=400 mg/8 mg/L=50 L、消失速度定数k=ln2/t1/2=0.693/3.5≈0.198 h^-1より、肝クリアランス(この薬物は肝代謝のみで消失するため全身クリアランスに等しい)CLh=k×Vd≈9.9≈10 L/hと求まる。
肝血流速度Qh=80 L/hより肝抽出率E=CLh/Qh≈0.124、バイオアベイラビリティF=1-E≈0.876となる。
定常状態の平均血中濃度Css=F×1日投与量/(CLh×24)を3.5 μg/mLとするには、1日投与量=Css×CLh×24/F≈3.5×9.9×24/0.876≈950 mgとなる。