次の構造式で示す化合物Aに関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
(下図:化合物Aの構造式。ピペコリン酸由来の環状ラクトン-ラクタム骨格、シクロヘキサン環(メトキシ・ヒドロキシ置換)、マクロライド系の大環状骨格、複数のメトキシ基・メチル基・OH基、ヘミケタール様のピラン環、末端にアリル基(CH2=CH-CH2-)をもち、互いに共役していない三置換二重結合を2つ(シクロヘキシル基側鎖と大環状部に各1つ)もつ。)
正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5。
この化合物Aはタクロリムス(FK506)で、放線菌(Streptomyces属)により産生される免疫抑制作用を持つマクロライド系化合物である。
分子内には含酸素6員環(テトラヒドロピラン環)部分にヒドロキシ基と環内エーテル酸素を同一炭素上に持つヘミケタール(環状ヘミアセタール型)構造が存在する。
なおタクロリムスは環状ペプチドではなくマクロライドであり、幾何異性をもつ三置換二重結合はシクロヘキシル基側鎖と大環状部の2つでいずれもE配置であり、末端のアリル基は末端メチレンのためE/Zの区別がなくZ配置の二重結合は存在せず、ピロール環は含まれない(ピペコリン酸由来のラクタム環をもつ)。