アミノ酸は両性化合物であり、その等電点(pI)と電荷はイオン交換クロマトグラフィーや等電点電気泳動における分離挙動を決定する因子となる。
下に3つのアミノ酸の構造式とpKa値を示す。
これらのアミノ酸の等電点と電荷に関する記述のうち、正しいのはどれか。
2つ選べ。
/A|B|C
構造式|(CH3)2CH-CH2-CH(NH2)-CO2H|HN(-C(=NH)-NH2)-CH2-CH2-CH2-CH(NH2)-CO2H|HO2C-CH2-CH2-CH(NH2)-CO2H
pKa1|2.36|2.17|2.19
pKa2|9.60|9.04|9.67
pKR|-|12.48|4.25
*pKa1はα炭素に結合しているカルボキシ基のpKa、pKa2はα炭素に結合しているアミノ基のpKa、pKRは側鎖部分のpKaである。
正解を2つ選んでください。
正答1・4
解説
正解は1と4。
アミノ酸Aはロイシンで側鎖に解離基を持たないため、pI=(pKa1+pKa2)/2=(2.36+9.60)/2≈5.98となる。
アミノ酸Bはアルギニンで側鎖グアニジノ基(pKR=12.48)を持つ塩基性アミノ酸のためpI=(pKa2+pKR)/2≈10.76と高く、pH 5.61(pIより低い)ではα-アミノ基・グアニジノ基がともにプロトン化され正電荷を持つ。
なおアミノ酸AはpH 2.33ではpI(約5.98)より低いpHにあり、α-アミノ基がプロトン化した状態でカルボキシ基の解離は進んでいないため正味電荷は正であり、負電荷を持つとする3は誤りである。
またCはグルタミン酸でpI=(pKa1+pKR)/2=(2.19+4.25)/2=3.22であり、その値のpHでは正味電荷はゼロ(等電点)であって正電荷ではない。