55歳男性。
コンピューター関連企業に勤務しており、勤務時間中は長時間コンピューターの画面を見ることが多い。
1年前、目のかすみや視野がぼやけることがあり眼科を受診したところ、緑内障と診断され処方1にて治療を行っていた。
今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2が追加となった。
(処方1)
ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5 mL/本) 1本
1回1滴 1日1回 朝 両目点眼
(処方2)
チモプトール®XE点眼液0.5%(注)(2.5 mL/本) 1本
1回1滴 1日1回 朝 両目点眼
(注:チモロールマレイン酸塩持続性点眼液)
薬剤師による適切な指導内容の根拠として正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4。
チモプトールXEは点眼後もゲル化して結膜嚢内に留まり効果を持続させる製剤だが、有効成分のチモロール自体はアドレナリンβ受容体遮断薬であり、鼻涙管を介して全身に吸収されるとβ受容体遮断作用が呼吸器や循環器に及び、気管支攣縮や徐脈などの全身性副作用を起こしうる。
前問で「点眼後に息苦しい感じがあったらすぐに連絡する」と指導する根拠は、この全身に及ぶβ受容体遮断作用である(4が正解)。
ぶどう膜強膜流出経路からの眼房水流出促進はラタノプロストの機序であり(1は誤り)、虹彩や眼瞼への色素沈着もラタノプロストの副作用である(2は誤り)。
血漿浸透圧を上昇させるD-マンニトールなどの高張浸透圧薬は眼内圧を下降させる目的で用いられるものであり、血漿浸透圧の上昇によって眼房水産生が増加するわけではない(3は誤り)。
チモロールの眼房水産生抑制効果がXE製剤で持続することは事実だが、それは1日1回点眼で眼圧下降が保たれる根拠であって、息苦しさを訴えたら連絡するという指導の根拠にはならない(5は誤り)。